こんにちは、トロント市内のカレッジを卒業し、トロントで保育士として勤務していたYuri(@The_Yu_Express)です!
カナダ・トロント(つまりオンタリオ州)で保育士として働くには、現地のカレッジで取得できる”ECE(Early Childhood Educator)”または”ECA(Early Childhood Assistant)”という資格が必要で、前回の初投稿の記事では、それら”ECE”と”ECA”について詳しくご紹介しました。
→【参考記事】トロントの保育士資格、ECEとECAをカレッジ留学で取得しよう!
今回は、それらの資格を取得できる、トロント市内のカレッジのECEとECAプログラムの授業内容の一例をご紹介します!
カナダ・トロント(オンタリオ州)に留学し現地で保育士になりたい方、そして「ECE、ECAになるためにカレッジではどういうことを勉強するの?」といった疑問への参考になれば嬉しいです。
※今回は、私の通っていたトロント市内にある公立カレッジである“George Brown College”の“Early Childhood Assistant Program”の授業内容をご紹介します。
※この授業内容はあくまで一例であり、実際の授業科目や具体的内容はカレッジごと、また年度ごとに異なる可能性があることをご了承お願いします。
目次
- 1 ECEプログラム1年目&ECAプログラムの授業科目一覧!
- 1.1 ①Infant and Child Development
- 1.2 ②Health, Safety and Nutrition
- 1.3 ③Foundations of ECE
- 1.4 ④Observation, Planning and Evaluation
- 1.5 ⑤Applied Curriculum
- 1.6 ⑥Language and Communications Ⅰ&Ⅱ
- 1.7 ⑦Fieldwork (チャイルドケアセンターでの実習)
- 1.8 ⑧Interpersonal Communication
- 1.9 ⑨Introduction to Sociology
- 1.10 ⑩Professional Development Workshop 1
- 2 より詳しいECE・ECAの授業概要についてのwebリンク
- 3 お仕事を手に入れる為にも、出来る限り高成績を目指そう
ECEプログラム1年目&ECAプログラムの授業科目一覧!
この記事では、私が実際に通っていたGeorge Brown CollegeのEarly Childhood Assistant Programの授業科目についてご紹介します。
そのため、各年度や各カレッジによって科目や具体的な授業内容は多少変わってくると思いますが、「このような勉強をするんだな」と大体のイメージは掴めるかと思います。
では、早速見ていきましょう!
出典:George Brown College: Early Childhood Assistant Program (C105) 2017-2018
前回のこちらの記事でもご説明したように、ECAコースはECEコースの1年目に値します。
したがって、ECAコースとECEコース1年目の授業内容はほぼ同じです。
上の画像のように、George Brown CollegeのEarly Childhood Assistantのwebページによると、ECAコースとECEコース1年目の授業内容は大きく分けて、
①Infant and Child Development
②Health, Safety and Nutrition
③Foundations of ECE
④Observation, Planning and Evaluation
⑤Applied Curriculum
⑥Language and Communications Ⅰ&Ⅱ
⑦Fieldwork (チャイルドケアセンターでの実習)
⑧Interpersonal Communication
⑨Introduction to Sociology
⑩Professional Development Workshop 1
といった10個に分けられます。
このうち、①〜⑤はsemester 1とsemester 2の両方に載っているので、通年の授業であり、2 semesterの最後に最終成績が出ます。
では、次の章から一つずつご紹介していきます。
①Infant and Child Development
乳幼児発達をあらゆる側面から理解する授業です。
semester 1とsemester 2を通して行われます。
乳幼児発達の理論(PiagetやVygotskyなど)や脳の発達、言語や数に関する能力の発達過程などを見ていきます。
②Health, Safety and Nutrition
子どもの健康、安全、栄養についての授業です。
semester 1とsemester 2を通して行われます。
より具体的には、正しい手洗いの手順や、子どもの怪我を防ぐ遊具やおもちゃの材質や、栄養バランスの良い食事やおやつ、虐待に関する法律や虐待への対処の仕方などを学びます。
③Foundations of ECE
幼児教育の基礎を検討、理解する授業です。
semester 1とsemester 2を通して行われます。
プロの幼児教育者として、どのような施設環境で、どのように接することが子どもの発達にとって望ましいのかを、infant(乳児)、toddler(幼児前期)、preschoolers(就学前の子ども)、school-age children(12歳頃までの子ども)の4段階に分けて検討していきます。
④Observation, Planning and Evaluation
略してOPE classと呼ばれることもあります。
semester 1とsemester 2を通して行われます。
子どもの観察記録の書き方、その観察を基にした遊びの計画の立て方、そしてその遊びの計画を実行した時の評価の方法について学びます。
この授業はFieldwork(実習)と連動しており、この授業で習った方法を実際に実習で練習していくことになります。
⑤Applied Curriculum
カリキュラムを作り出すことを学ぶ授業です。
semester 1とsemester 2を通して行われます。
多様性や文化への理解を育てる、様々な言語の絵本の読み聞かせをしたり、粘土や綿などアート遊びの材料を実際に使ってみたり、材料を用いて数に関する能力を伸ばす遊びを作ることを通して、カリキュラムを作り上げる力を身に付けていきます。
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⑥Language and Communications Ⅰ&Ⅱ
英語の文法、文章の書き方についての授業です。
これはsemester 1とsemester 2でそれぞれⅠとⅡに分かれていて、
semester 1でのLanguage and Communications Ⅰでは、正しい英文法や、新聞や本、インターネットなど、様々なメディアからエッセイやレポートへの引用の仕方と引用文献の書き方を勉強します。
semester 2でのLanguage and Communications Ⅱでは、色々なタイプの文章を実際に書いていきます。授業終盤には、最終課題として約6,7ページの長文エッセイを書きます。
⑦Fieldwork (チャイルドケアセンターでの実習)
チャイルドケアセンターでの実習で、Field Placementとも呼ばれます。
George Brown Collegeでは、2017年4月現在、11箇所のチャイルドケアセンターを運営しています。
ECEコース、ECAコースの生徒は、1 semesterにつき1箇所ずつ、この11箇所のチャイルドケアセンターの中のいずれかに実習生として派遣され、経験を積むことになります。
前回の記事にもありますが、子どもの対象年齢については、大まかに
0歳〜約18ヵ月 infants
約18ヵ月〜約30ヵ月 toddlers
約30ヵ月〜約6歳 preschoolers / kindergarteners
約6歳〜約12歳 school-age children
の4段階に区切られており、ECEは4つ全ての年齢段階、ECAは【infants/toddlers】、【preschoolers&kindergarteners/school-age children】からそれぞれ1つずつ計2つの年齢段階の実習を受け、卒業までに必ずパスしなければなりません。
実習中には、④Observation, Planning and Evaluationの授業で習う観察記録や遊びの計画、そして実行した遊びの評価などを実際に取り組んでいくことになります。
⑧Interpersonal Communication
対人関係のコミュニケーションについての授業です。
ECEコースはsemester 1とsemester 2を通して行われます。
ECAコースはsemester 1のみで行われます。
対人コミュニケーションを円滑にするための知識やスキルを身に付けます。
⑨Introduction to Sociology
社会学の入門レベルの授業です。
semester 2のみで行われます。
具体的には、文化や、人種、ジェンダー、家族、マスメディアなどの社会学上の基本的概念を、毎回の授業でそれぞれ1つずつ検討していきます。
⑩Professional Development Workshop 1
これは通常の授業とは異なり、semester 2中に行われる不定期のワークショップです。
ECEコースとECAコースの学生が、プロフェッショナリズムを育むため、またキャリア設計を考えるために開かれるワークショップです。
ECAコースの学生は、semester 2中に行われる全部で3回のワークショップ全てに出席する必要があります。また、ECEの2年目への進級を希望する場合は、このワークショップ全3回の全てに出席することが、ECE2年目の”professional development”という授業を受けるための必須条件となります。
ECEコースの学生も、このワークショップに出席することが、ECE2年目の”professional development”という授業を受けるための必須条件となります。
より詳しいECE・ECAの授業概要についてのwebリンク
より詳しいGeorge Brown Collegeのプログラム、授業概要については下記リンク先をご覧ください。(全て英語です)
・George Brown College-Early Childhood Education Program(授業のより詳細はこちら)
・George Brown College-Early Childhood Assistant Program(授業のより詳細はこちら)
ちなみに、上記()内にある授業の詳細ページは、各プログラムのwebページの”Course Outline”→”Detailed course outlines”のリンク先です。
お仕事を手に入れる為にも、出来る限り高成績を目指そう
以上、授業の詳細をご紹介してきましたが、カレッジに入学していざ勉強を始める時に、ぜひ目指して頂きたいことがあります。
それは、高成績(高GPA)を取り、Honours(成績優秀者)として卒業することです。
GPAとは、Grade Point Averageの略で、成績の平均点のことで、日本の大学でもよく使用されている成績指標です。
例えば、今回ご紹介したGeorge Brown Collegeは、ECE、ECAコースそれぞれGPAが4点満点中3.5以上でHonoursとして卒業することができます。
カレッジでECE・ECAプログラムを卒業してECE・ECAの資格を取得した後、次に待っているのは、就職先探しです。
資格を持っていることはもちろんですが、雇ってもらうためには、チャイルドケアセンターである雇い主側に自分をアピールする必要があります。
高GPAを取ることができれば、Honoursの称号をもらい成績優秀者として卒業することができ、それを履歴書に書いて就職活動の際に効果的にアピールすることができます。
それによって、お仕事を手に入れるチャンスを高めることができます。
実際に、私もHonoursで卒業することができ、お仕事先もスムーズに見つけることができました。(もちろんHonours取得のお陰だけではないと思いますが)
英語を母語としない留学生にとっては、まずしっかり卒業して資格を取るということが目標だと思います。
ですが、就職の可能性を広げるためにも、出来る限り高GPAの獲得を目指し、Honours付きで卒業することを目標の1つにすることも良いと思います!
以上、カナダ・トロントの保育士資格を取れるカレッジの授業内容についてご紹介しました。
今回は、私の通っていたトロント市内にある公立カレッジである”George Brown College”の”Early Childhood Assistant Program”の授業内容をご紹介したので、この授業内容はあくまで一例であり、実際の授業科目や具体的内容はカレッジごと、また年度ごとに異なる可能性があることをご了承お願いします。
カナダ・トロント(オンタリオ州)に留学し現地で保育士になりたい方、そして「ECE、ECAになるためにカレッジではどういうことを勉強するの?」といった疑問への参考になれば嬉しいです!